よくある転生モノの悪役令嬢の話ではありません。設定が少々複雑というか、捻ってあるというか、最初はそう来たか!と感心してしまう『悪役令嬢の中の人 ~断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐いたします~』
こちらではコミックス1巻についてご紹介します。
転生された悪役令嬢の意識がその身体に残っている、という転生モノとしては珍しいお話です。
原作小説とコミカライズについて
小説はどこで連載? 完結してる?
原作小説はまきぶろ先生による『悪役令嬢の中の人』。原作小説は『小説家になろう』で連載され、現在は完結しています。今でも読むことができて、〝番外編〟として登場人物視点のお話が時々更新されているようです。
小説家になろう『悪役令嬢の中の人』はこちら
小説は一迅社から書籍化されています(一迅社ノベルス)。1巻と2巻があり、1巻が本編、2巻は本編でさらっと書かれたところの詳細だったり、攻略対象者たちそれぞれの話やピナの末路などの書き下ろしが収録されています。
漫画は無料で読める? コミックスの出版社は?
漫画は白梅ナズナ先生が描かれており、異世界ファンタジーWEBマンガ誌『comic LAKE』(pixivコミック)で連載中です。コミックスは一迅社のcomic LAKEレーベルから5巻まで発売されています。
pixivコミックの連載ページはこちらです。現在無料で読めるお話はありますが、コミックスが発売するタイミングでその収録話は公開終了になりますのでご注意。
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アニメ化はされているの?
残念ながら2024年11月現在、アニメ化はされていません。発表が待ち遠しいですね。
コミック版 1巻のあらすじ
『エミが望んだ幸福をわたくしが取り戻す』
とあるRPG系乙女ゲームの悪役令嬢レミリアに転生した「エミ」は、ゲームのヒロイン「星の乙女」により努力虚しく断罪されてしまった。
エミの冤罪を晴らすため、そこに現れたのは中から見守っていた本来のレミリアで―—。
コミックス裏表紙より
1巻ではこれでもかというくらい転生したエミの可愛さが描かれ、それに対し彼女を陥れる星の乙女の振る舞いが本当に憎らしく、ざまぁを期待するのに十分な材料となっています。
第1話 悪役令嬢は目覚める
レミリア・ローゼ・グラウプナーは婚約者である王太子ウィリアルド・アーク・クライゼンに婚約破棄を言い渡されていた。ショックを受けて意識を失った彼女の代わりに11年間意識下にいた本物の【レミリア・ローゼ・クラウプナー】が現れる——
◇ ◇ ◇
少女レミリアは高熱を出して意識を失う。次に目が覚めた時には身体の中に閉じ込められており、何者かに身体を乗っ取られたと知る。彼女の身体を乗っ取ったのはエミという大学生。【レミリア】の意識は身体に残ったままで、エミの経験は同じように体感することができるのだった。
一方エミは自分が転生したのはRPG系乙女ゲームの悪役令嬢レミリアだという事を知る。エミはレミリアが悪役令嬢にならざるを得なかった筋書を哀れみそのキャラを愛していたので、転生してレミリアになった事で悪役令嬢にはさせずに〝レミリア〟を幸せにしようと決意をする。
ゲームの世界が滅びないように、そして〝レミリア〟を幸せにするために独自で調べながら魔法も剣術も高めていくエミ。攻略対象者達の心も救い、非の打ち所のない女性となっていった。〝レミリア〟の為に血の滲む様な努力をしたエミの事を、【レミリア】も愛してその幸せを願うようになっていた。
第2話 星の乙女と醜悪な嘘
そんな時、学園に伝説でしか知られていなかった〝星の乙女〟ピナが編入してきた。彼女は自分勝手で非常識な言動をとり周りを困惑させる。ある時エミは学園の廊下でピナに呼び止められて転生者なのかと尋ねられ、全員と友好関係を築いているエミの事をピナは激しく罵倒してくる。ゲームのシナリオ通りに攻略対象者を攻略できない事に苛つくピナはアイテムを使い周りを篭絡していく。そして最後の仕上げとばかりに汚い手を使ってエミを犯罪者に仕立て上げた。
純粋すぎるが故にピナの罠に嵌まってしまったエミは、王宮の夜会で王太子から断罪され婚約破棄を言い渡される。あれだけ頑張ったのにゲーム通りになってしまった事、誰も自分の無実を信じてくれないことに絶望したエミは意識を失ってしまう。その瞬間、身体の奥に閉じ込められていた【レミリア】が表に出てくる。【レミリア】は謝罪をする事なく最後まで罪を認めなかった。
追放され領地の果ての屋敷で幽閉されることになった【レミリア】。身体の中にエミの存在を感じることはできるが、心が壊れて深い眠りについていると推測した【レミリア】は、エミを絶望させ傷つけた者達に復讐を誓うのだった。
第3話 これは 悪が下す正義(あい)の鉄槌
身体を取り戻した【レミリア】はエミが安心して出て来られる世界を作ろうと、エミが救ってくれたレミリアとして復讐の一歩を踏み出した。エミのおかげで手に入れた膨大な魔力と元々の頭の良さを生かして壮大な計画を立てる。
手始めに、ピナが使ったつけて歩くだけで好感度が上がる香水を売っていた課金ショップを潰すことにする。それは『ただ潰す』のではなく、今後の計画のために上手く利用するためだった。
感想とネタバレ
設定
転生モノとして避けては通れないはずの「転生された元々の中の人はどうなったのか」という問題。割とスルーされがちなのですがそこに焦点をあててそれを最大限に活用しています。
転生されたレミリアは意識だけとなって身体の中に残り、干渉することはできないけどエミのレミリアがとる行動は食事も含めてすべて体感することができ、この世界の事を知っているエミの記憶も全部見ることができます。しかも第三者の目線でエミのレミリアを見ることができるのです。故にレミリアはチートという事になり復讐劇を起こすことができるのです。
それと、悪役令嬢モノの悪役令嬢は「ヒロインの位置から見ると〝悪役〟なだけで本当はそうじゃなかった」という設定が多いのですが、この作品に関してはレミリアは本当に悪役令嬢です 笑。本当に悪役令嬢だったんかいっていうどんでん返しを序盤で味わえるとは。時折見せる悪い表情が最高です。この後完膚なきまでに叩き潰すんだろうなぁと思わせる悪女ぶりにうっとりします。
エミとレミリア
ゲーム内での、つまりこの世界でのレミリアは物心ついた時から親からの愛情を受けることもなく、邪魔者扱いをされていつも独りぼっちでいた可哀想な子です。公爵令嬢という立場から王太子と婚約をすることになりますが単なる政略結婚の為なので王太子からも愛情を注がれることもなく、星の乙女にすべてを奪われ闇に堕ちて世界を破滅に導く存在です。
エミの記憶からレミリアはそのことを知ることになりますが、エミはゲーム中もそんなレミリアに心を寄せ「救いたい」「幸せにしたい」と思っていたこと、転生したことでレミリアを自分の手で幸せにしようと努力していたことに、レミリアはエミを愛しく思い彼女の幸せを願うようになります。
レミリアにとってエミは初めて自分を愛してくれた人であり、初めて愛した人なのです。
だからこそエミを踏みにじった者達への怒りは言葉で表せるようなものではなく、ピナに対しては「死で贖う(あがなう:つぐないをすること)ことすら許さない」と言い切っています。あ~これ死ぬよりも残酷な、死んだほうがマシと思うくらいの復讐をするんだなとざまぁ度への期待値が高まります。
あと、エミのレミリア、レミリア、エミのレミリアを演じるレミリアの表情の描き分けが素晴らしいです。
ピナ
ピナのね、ビジュアルがすごいんですよ。猫被っている時のきゃるんとしたわざとらしい気持ちの悪い表情や、レミリアに悪態をついた時のひん曲がった性格そのものの表情、周りを仲間にするための媚びを売る表情など、醜悪な女の表情を描くのが上手すぎます。白梅ナズナ先生は本当に描き分けがお上手です。
これだけピナを醜悪に描いていただけると、力いっぱいレミリアを応援することができます。
レミリアの復讐対象はピナはもちろん、攻略対象者や周りの愚衆も範囲に含まれています。攻略対象者はピナに薬を使われた被害者でもあるのでは?と思ってしまいますが、彼らはエミのレミリアがピナへの嫉妬から苦しんでると思ったり、傷ついたりしているのを見て愉悦を感じていたことが、レミリアは許せないのです。
その他
描き下ろし漫画はエミがレミリアというキャラを好きになった理由が描かれています。エミの優しい気持ちをより知ることができます。私もレミリアたんを愛でたい。
2巻の紹介はこちら
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