この度、『悪役令嬢の中の人 ~断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐します~』が好きすぎて、あらすじ&感想だけではなくカテゴリを作って掘り下げていく事にしました!
『悪役令嬢の中の人』はまきぶろ先生の原作はもちろんなのですが、白梅ナズナ先生のコミカライズ版がとっても素晴らしいのです!
原作に無いエピソードを追加して分かりやすくされていたり、原作では数行でサラッと書かれている場面を膨らませてより深く描かれたりと構成が素晴らしく、原作ファンも大満足な……むしろコミカライズありがとう!という作品となっています。
色々とテーマを決めて記事を書いていきます。一応コミカライズ準拠で進めるつもりですが、中には原作のネタバレが多い記事もありますのでご注意ください。(その都度注意書きを載せます)
悪役令嬢とは
まず、悪役令嬢というものの設定について書きたいと思います。
Wikipediaによりますと悪役令嬢というものは
フィクション作品世界の中でヒロインの敵対者として登場し、家柄や身分、容姿、資産などで有利な位置に立って、ヒロインの恋路に立ちはだかる役柄であり、権力や取り巻きを使ってヒロインを攻撃するが、ヒロインやゲームでの攻略対象(王子や公爵家子息、騎士団長嫡男など)に反撃され、最終的には敗北し破滅(バッドエンド)してしまうこともある存在である
Wikipediaより
とあります。それまでは小説や漫画、ゲームなどで読者やプレイヤーはヒロインに自分を投影するのが自然の流れであり、所詮悪役令嬢は脇役でした。
そんな中、悪役令嬢を主役とした作品が小説家になろうなどのオンライン小説サイトを中心に発表されるようになり、〝悪役令嬢もの〟と呼ばれる一大ジャンルとなりました。
では、悪役令嬢のさきがけは?というとこちらもWikipediaによりますと
2010年代前半頃に小説投稿サイト『小説家になろう』において成立した。なろう系の一種であり、もともと同サイト内で多かった「異世界転生」ジャンルに、女性向け恋愛ゲームの世界観を背景とした「乙女ゲーム」ジャンルが合流してブームとなり、一大ジャンルに成長した。同サイトでは2012年2月に開始した『悪役令嬢後宮物語』があり、転移転生ではないが後続の悪役令嬢作品に影響を与えたとみられる。
という事ですので、もう10年以上も人気のジャンルという事ですね。
このような人気ジャンルとなった悪役令嬢ものですが、この流れからか2014年ごろからは〝悪女もの〟のブームも起こりました。
悪役令嬢の中の人の斬新な設定
悪役令嬢の中の人は定番の設定とどう違うのでしょうか。
悪役令嬢の定番の設定とは
多くの悪役令嬢ものは転生者が元のキャラクターの意識を上書きしますので、いわゆる〝転生者の物語〟なのです。転生されるまで悪役令嬢は非道な振る舞いをしていますが、転生されてからは振る舞いは悪役令嬢ではなくなり破滅エンドを回避することが多いです。
逆に悪役となったヒロインが破滅エンドになったり、特にぶつかることもなくヒロインはヒロインなりの幸せを手に入れていたりと、結末は多様です。
悪役令嬢の中の人の設定
悪役令嬢の中の人は、主人公レミリアの中に現代から転生したエミという日本人女性の意識が宿っています。しかし元のレミリアの意識も身体の中に残っています。そしてエミが十年近く破滅を回避するために立ち回ったのに、ヒロインが性悪すぎて断罪劇が起こってしまいそのことに絶望したエミはレミリアの身体の中で意識を閉ざしてしまいます。そこへ同じ年数を身体の中で過ごし全てを見ていた本来の悪役令嬢であるレミリアの意識が再び前面に出てきます。
そして転生者である心優しきエミを絶望に追い込んだ者たちに復讐をするという、〝本来の悪役令嬢の物語〟なのです。
ここが他の作品と大きく違う所です。
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レミリアとエミの関係
エミから見たレミリア
エミにとってゲームの中の悪役令嬢レミリアは、ヒロインの邪魔をしてあろうことか世界を滅ぼすきっかけを作り出す破滅的悪役ではなく、ただ誰にも愛されなかった彼女が心から愛して愛を求めた相手に裏切られて暴走してしまったという可哀想な存在であり、「ただ彼女は愛されたかっただけなのだ」という哀れみと見た目の好みもあって〝推しキャラ〟となっていました。
そんなエミがレミリアに転生したと気づき、世界を破滅に導こうとして死んでしまった彼女を助けたい、その人生を変えたいという一心で、訪れると分かっている厄災に立ち向かうためにエミのレミリアは勉学だけではなく魔法や剣術の鍛錬に励みます。そしてこの世界では稀有な〝チート的なキャラ〟となるのです。
エミの深い愛を知ったレミリア
一方レミリアは突然身体を奪われてエミの事を最初は罵りますが、エミが自分の事より身体の持ち主の事を心配した事や、自分がレミリアだと気づいた後も必ず幸せにするという彼女の決意にレミリアはすっかり心を許してしまいます。
自分が今まで〝誰にも愛されてこなかった〟という事をまざまざと思い知り、そんな自分に深い愛情を向けてくれたエミを愛してしまったからです。
エミのレミリアが行う事はレミリアも意識下で体験することができ、エミの様子はビジョンで俯瞰で見ることができるので、エミのレミリアがどのように人と接しているかも分かります。
エミのレミリアはただひたすらレミリアが幸せになるように生きていたので、レミリアもエミの幸せな姿を見るのが何よりも嬉しいというお互いを思う関係になっていきました。
レミリアの魅力
エミを陥れて絶望させたピナと周囲の裏切者たちへの復讐の念が沸き上がるのは当然の事で、レミリアはまさに〝悪役令嬢とはこういうものだ〟という姿を見せてくれます。
圧倒的な強さ
エミの努力によってレミリアはチート的な存在となっており、あらゆる力を使って計画的に実行に移していきます。魔物を瞬殺する事ができる剣術と魔法を使ってダンジョンを制覇したり、罠を早くから仕掛けたりピナが悪事を働けないように確実に潰していくなど先読みする力に長けていたり、目的の為に相手が望むような振る舞い籠絡してしまう所など、ただただ感心してしまいます。
時折見せる復讐に燃える悪魔のような表情も美しいのですが、エミの事を思って浮かべる優しい表情のギャップにやられてしまいますね。
レミリアの望み
レミリアはエミの事を〝生来のお人好し 助けられるものを救わずにいられない そのための努力は一切厭わない〟と評しています。
レミリアは自分とは全然違う、と思っている節もありますが、レミリアが復讐に燃えているのは「エミが安心して出て来られる世界を作りたい」「エミが『レミリアの幸福』を望んだから」という理由なので、それが彼女を突き動かしているという事がレミリアも人を思いやる事の出来る人だという事です。
復讐するに値する敵キャラ
ピナとは
レミリアの復讐相手となる〝星の乙女〟ことピナは、レミリアを陥れ、彼女を断罪へと追い込みます。表向きは純粋で愛らしいピナは、ゲームの世界では「ヒロイン」として設定されているキャラクターです。
しかし自分の地位や利益を守るために他人を利用する狡猾さを持っています。特に自分が「ヒロイン」として成功するために周囲の人々を巧みに操り、レミリアのような「悪役令嬢」を陥れることに躊躇しません。ピナは自分が得たいものを手に入れるためには手段を選ばず、陰で計画を立てて策略を巡らせることができる野心的な人物です。
ピナが行った事
ピナはウィリアルドや他の貴族たちに対して、巧みにレミリアの悪評を広めます。ピナは自分が被害者のように振る舞い、レミリアが冷酷で高慢な悪役であることを強調することでレミリアの信頼を少しずつ失わせていきます。彼女の策略によって、周囲の人々は次第にレミリアに対して疑念を抱き始め、孤立していく状況を作り出します。
ピナはレミリアを完全に失脚させるために、決定的な「断罪劇」を企てます。彼女は自分がレミリアによって「不当な扱いを受けた」と周囲に信じ込ませ、レミリアが彼女を妨害しているという印象を与えます。これにより、レミリアが「悪役令嬢」としての運命を背負い断罪される道筋を作り上げます。ピナは表向きは無害なヒロインとして振る舞いながら、裏でレミリアを陥れる証拠を集め、彼女が悪行を働いていると見せかけます。
そしてレミリアに突き落とされたと見せかけて自分から階段を転げ落ち、「レミリアに殺されかけた」という事実を作り上げ、レミリアを極悪人に仕立て上げるのです。
悪役としてのピナ
彼女の狡猾さや計算高さは単純な悪役というよりも、自分の理想を追い求めるために他者を犠牲にするという独特の悪役像を形成しています。その為、思い通りにならない不満をレミリアにぶつけ、彼女への態度は非常に辛辣で自然と憎々しく思ってしまう程です。演技と嘘でレミリアを陥れていく様は醜悪で「復讐されても仕方がないな」と思わせるほどの〝悪役〟です。
ピナは『死で贖うことすら許さない』とレミリアが言った通り、幽閉や国外追放どころか死刑以上の、いっそ殺して欲しいと思うような地獄を味わう事になり、読者の留飲を下げてくれます。
ピナについて詳しい記事はこちら
まとめ
上記で触れた悪役令嬢の中の人が面白い理由をまとめますと
- 転生者の物語ではなく、本来の悪役令嬢の物語
- エミとレミリアの唯一無二の関係
- レミリアの無敵ぶり(強い、賢い、美しい)
- ピナが卑劣極まりない悪女なので、復讐されるのが楽しみになる
となります。
個性的で魅力的なキャラクターについてもまた語りたいと思います!
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